断熱化・気密化した住まいは、室内の快適性が向上します 健康を左右する、人が感じる室内環境の快・不快のしくみを知っておきましょう ■ほどよい快適とは 日常生活を振り返ってみると、屋外より屋内にいる時間が圧倒的に長いことは明らかです。 私たちは生涯のほとんどを天井・壁・床に囲まれて生きているといっても過言ではありません。 なかでも1番多くの時間を過ごすのが住まいです。 寒い冬、暑い夏に「ほどよい」とは、どのような環境でしょうか。 冬の晴れた日、よく陽のあたる縁側を想像してみてください。 窓を開け放していてもポカポカ暖かく過ごせます。また、真夏のアスファルトの道路と比べて、緑の茂った木陰はどうでしょうか。 少しの風が吹くだけでも涼しく、いかにも快適な感じが想像されます。 このように、夏に気温が高くても不快ではない状況、冬に気温が低くても気持ちよく過ごせる状況があります。 冬のひだまりや夏の木陰に感じる快適な温熱環境のルールを知り、家づくりに取り入れましょう。 ■快適のカギは熱の伝わり方にあり 人が感じる快・不快には、熱の伝わり方が大きく関係しています。 熱は、温度の高いほうから低いほうへと移動し、次の3つの方法で人の体に伝わります。 ・伝導 物質(個体)を介して熱が伝わること。モノに触れている部分から、人体に伝わります。 ・対流 液体や気体を介して熱が移動すること。室内温度による暑い・寒いは対流によるものです。 エアコンの温風や冷風で伝わる熱も同じです。 ・放射 温度差がある物体間で熱が移動すること。たき火にあたると暖かいの放射によるものです。 ■不快な結露を防ぐには 快適な暮らしを妨げる要因として、暑さ寒さだけでなく、冬の結露も問題になります。 これについては、窓と外壁、屋根の断熱・気密性能を上げることで、壁面や窓の表面結露を防ぐことが可能です。