畳敷きの和室は、今も昔も日本時にとってなじみ深い、落ち着ける空間ではないでしょうか。 現代の和室の使い道には、座敷=接客のための場、茶の間=家族のくつろぎの場、予備室=客用の寝室、の3通りが考えられます。 ■融通無碍な空間 ちゃぶ台を出せば食事ができ、布団を敷けば寝室となり、何も置かなければ広間として使える。 和室はとても融通の利く便利な空間です。 そのため、新築時に「取りあえず一つは和室を」との要望がよく聞かれます。 ■襖を使って開いたつくりに 日本の家には、襖という優れた装置があります。部屋の1面または2面に何枚かの襖を重ねて建て込むことで、 閉めていれば壁の代わりになり、開け放つと隣室と一体化させることができます。 ■新しい和室のつくり方 床の間や襖といった定番のつくりにとらわれず、もっと自由に和室を作ることもできます。 畳をリビングの床に段差なく敷きこんで、床座のリビングにする方法もあります。 椅子のリビングに比べて、たくさんの人が集まっても対応しやすく、ゴロンと横になれる楽しみもあります。 ■伝統的な和室のつくり方 日本の伝統を受け継ぐ意味で、格式のある和室=座敷を住まいに求める声も少なくありません。 柱や長押をあらわにした真壁造りが基本です。 床の間は必須で、幅は一間(1,820mm)とします。 面積に余裕があれば、押入れは別にして、床脇の飾り棚や書院のしつらえが出来れば、より本格的になります。 天井板は床の間に対して平行に張る、畳も同じ向きに敷くなど、床の間を中心に物事が決まります。 座敷のしつらえは、書院造にあるような格式高い「真」のものから、風雅に崩した「草」、その中間の「行」といった分類になされます。 材の選び方から壁面の構成まで、さまざまな様式があり、とても奥の深いものです。