■プランの可能性を広げる ホームエレベーターは、これまで老後に備えて設置するというケースが多かったのですが、 一般的に移動手段として定着してきました。 移動が苦にならないため、日当たりのよい3階にリビングを置いたり、高齢者の寝室を上階に設けたりすることも可能です。 最近は、キッチンやリビング、浴室などを2回以上に設けるプランが増えています。 人の移動だけでなく、食料品や生活用品などの持ち運び、1階の洗濯機置場から洗濯物を運ぶときなど、ホームエレベーターの 活躍する場面は意外と多いのです。 カゴの出入り口は1方向だけでなく、前後両面の2方向に対応しているものもあります。 たとえば、1階は正面、2階は背面といった具合に出入口を設置できるため、間取りの自由度が高まります。 設置駆動方式には大きく分けて、ワイヤーで支えて巻上げ機でカゴを移動するロープ方式と、 下からジャッキで支えて油圧で移動する油圧式があります。 ■停電や地震の発生時には ホームエレベーターには、バッテリー運転装置が標準装備されているため、停電時でも閉じ込められることはありません。 最寄り階もしくは最下階まで運転して停止し、扉を開きます。 地震が発生した場合は、通常のエレベーターと同様に最寄り階で降りるようにします。 昇降工程が7mを超える場合は、地震を感知したときに最寄り階で自動停止する地震管制装置の設置が義務づけられています。 また万一、閉じ込められた場合、非常用の外部連絡手段として、アナログ回線専用の電話機などをエレベータールーム内に 標準装備しているものもあります。 ■設置についての注意事項 ホームエレベーターは、利用者として同一家屋内に居住する家族を対象にします。 設置場所は個人住宅内でなければなりません。 また、エレベーター用の確認申請と完了検査が必要です。 建築基準法により所有者には法定点検が義務付けられており、メーカとメンテナンス契約を結ぶ必要があります。