近年の都市部での住宅建築は、狭い敷地で行われることが少なくありません。 そこで、より多くの床面積を確保するため、3階建ての住宅が増えてきました。 その特徴を見ていきましょう。 ■木造3階建ての構造 都市部の大半は、防火による制限が厳しい地域に指定されているので、3階以上の建物は鉄骨造かRC造とされていました。 しかし、法改正があり、言っての基準を満たせば、準防火地域内でも木造3階建てが建てられるようになりました。 3階建て住宅では、上からの重さはもちろん、地震・台風時に1階にかかる力が、2階建てに比べて大きくなります。 そのため、柱や梁、土台など各部材をより太くし、耐力壁の量やバランスの計算も厳密にしなければなりません。 ■ビルトインガレージ 狭小敷地では敷地内に駐車スペースを確保するのにも、工夫が必要です。 そこでビルトインガレージという方法があります。有効な手段ですが、難しい点もあります。 都市部の狭小敷地の形状は奥行きに対して間口が狭いケースがほとんどで、建物の幅も限られています。 そこにガレージと玄関の開口を取ってしまうと、必要な耐力壁が確保できなくなることがあるためです。 新軸組と呼ばれる構法のなかには、ビルトインガレージに向いているものがあります。 ■木造3階建ての法的規則 木造3階建てには、構造以外にも法的な制限があります。 高さの上限を設定している地域も多く、たとえば最高の高さ10m。最高軒高7mの地域では小屋裏を利用する 程度の3階建てにしかなりません。 前面道路が狭く道路斜線が厳しかったり、北側斜線が厳しいと3階建てにしたものの、壁が斜めになり 部屋が有効に使えなくなることもあります。 準防火地域では、屋根・外壁・軒裏のつくりについて、防火性能に関する細かな仕様が決められており、窓など開口部の大きさも制限されています。 また、建築協定で3階建て以上の建築を禁じている地域もあります。 ■混構造 1つの建物の主要な部分に、異なる形式の構造を併用することを混構造といいます。 3階建て住宅で1階を店舗や車庫にして、柱や壁を極力減らしたいときには、1階を鉄骨造かRC造、 2・3階を木造とすることが多いようです。 木造部分は2層でも、3階建ての構造規定が適用されます。