家の出入り口である玄関ですが、機能面だけで計画できません。 玄関は通りや町との重要な接点だからです。 初めて訪れる人にとってわかりやすく、来客や街への思いが伝わるようなつくりを目指していきましょう。 ■内と外、気配を感じる場所に 玄関は人を温かく迎える場所でありたいものです。 訪問者にとって、家のなかの雰囲気が何となく伝わるつくりだと安心できますし、夜帰宅したときに玄関から漏れる光を見るのは、 だれでもホッとするものです。 ■玄関の広さ 広がりのある間取りの項で、玄関は廊下と一体化させずに、建具で仕切り独立した空間としてつくるのがよいと述べました。 その場合の広さは2畳以上、3畳程度が適当です。半分を土間、半分を少しあげて板敷きでつくるのが一般的で、 靴入れや腰掛を置くことができます。 全体が狭い場合は、幅を抑えて奥行きにゆとりを取るとよいでしょう。 ■玄関の多様な使い方 玄関に出入口以外の使い方をもたせる場合は、広さにこだわる必要はありません。 腰かけて話せる椅子やテーブルを用意したり、温室のように植物を並べたり、アート好きな家族なら 玄関をディスプレーの場所として考えてみるのも楽しいものです。 ■玄関にほしいしつらえ 室内では靴を脱いで生活する日本人にとって、靴や傘の収納は玄関に必須のしつらえです。 狭い玄関なら なおさらで、小さくてもよいので腰掛をつくりつけることをお勧めします。 姿見があると出かける直前の見繕いができます。 ■便利な玄関内ポスト口 郵便類や新聞を玄関内で直接受け取れると、雨の日も門まで出ずに済み、家の中から新聞を手にでき便利です。 郵便物が落ちないように受けの板を設けるか、靴入れの天板上や箱の中に落ちるようにするとよいでしょう。