お年寄りと一緒に暮らすためには、どのような家のつくりが理想的でしょうか。 付かず離れずの距離感を保ちながら、家族みんなが快適に過ごせる家を考えていきましょう。 ■一様でないお年寄りの生活 お年寄りが完全な自立生活を送り、ほとんどの機能やスペースを子世帯と共用しないのであれば、2世帯住宅を選択するのもよいでしょう。 お年寄りといっても、その年齢や健康状態、夫婦なのか否か、そして性別によって、生活は一様ではありません。 親の自活が難しくなってきた年齢での同居であれば、高齢者室だけでなく子が親のサポートをしやすい住まいを考えなければなりません。 ■ほどほどのつながりと独立性 共に暮らすといっても、生活のすべてを共有することは難しく、年代の違いによる生活時間帯のズレは必ずあるものです。 リビングと完全に一体になるような高齢者室では、お互いに悪いことも多く、少し間を置くのがよいそうです。 反対にまったく気配の分からないほど、独立性の高いのも問題です。 気軽にリビングに出てこられるくらいの距離が理想です。 ■外とのつながりにも配慮 長時間 家にいることの多いお年寄りは、その分、地元の地域とつながりをもって暮らしている場合が多いはずです。 昔からのなじみや趣味の仲間との交流がうまく運ぶような住まいが理想です。 お年寄りの部屋が直接 外に通じることは、将来 体が弱ってきたときに、外部から介護のサービスを受ける際にも対応しやすくなります。 ■加齢による体力低下の考慮 部屋はトイレや浴室に行きやすく、ベッドが置ける広さがあること、湿度や臭気がこもらないよう十分な換気ができることなどが挙げられます。 出入口を引き戸にし、段差をつくらず、適所に手すりを設け、夜間の照明を施す、などにも配慮します。