構法・工法は建物の用途、規模、デザイン、コストなど多くの要素を考慮したうえで選択されるものです。 住宅建築において用いられる、代表的な構法・工法を知っておきましょう。 ■住まいの用いる構法・工法 建物は、建物を支える骨組みである構造の形式やつくり方の違いにより分類されます。 それぞれ、設計上の考え方、使われる材料、工事の進め方など大きく違います。 ■木造軸構法 材木を柱や梁などのかたちにして、建物の骨組みとする方法を木造軸組構法といいます。 柱、梁などにあらかじめ加工した材を現場に運び、わずか1~2日でくみ上げてしまうのも木造軸組構法の特徴で、 屋根頂部の材である棟木を最後にあげて基本構造部分の完了とします。 このときを上棟(じょうとう)といい、建前(たてまえ)などとも呼んで祝う習慣も根強く残っています。 ■部材の接合部 以前は1本1本の部材を大工が手作業で加工する手刻みが一般的でしたが、 この加工を機械で行い、工場で部材生産するのがプレカットシステムです。 プレカットや手刻みで加工した部材の接合には、金物が併用されます。 部位によってさまざまな形や規格をもつ構造用を用います。 在来構法の構造はこの金物があってこそ成り立っているといえるほど重要で、特に地震や台風時に建物に 横からの力が加わったときに、軸組の破壊を防ぎ、力をうまく地盤まで伝える働きをします。